2021/08/02
ビジネスにおけるエコシステムとは?意味や具体例などを解説

ビジネスエコシステム
生態系に関する用語である「エコシステム」は、ビジネスの考え方を表す際にも使われています。これからビジネスを展開するうえでは、エコシステムは重要なカギとなるでしょう。
この記事では、エコシステムの意味やエコシステムを構築するための方法を解説します。自社のビジネスを成長させるためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。

 

エコシステムとは?

エコシステムとはどのようなものなのでしょうか。ここでは、エコシステムの意味や必要性などを解説します。

 

エコシステムとはもともと自然界の仕組みのこと

エコシステムとは、同じ領域に生息する生物が互いに依存しあって生きている状態を表す用語です。たとえば、動物は植物が生み出した有機物を食べ、活動するためのエネルギーを確保しています。動物の排泄物は菌類により分解され、植物が育つための栄養素になります。
エコシステムとは、このようなサイクルのことです。

 

ビジネス用語としての「エコシステム」

エコシステムはもともと生態系に関する用語ですが、ビジネス用語にも派生しています。ビジネスにおけるエコシステムとは、収益を生み出すためにさまざまなものが連携している構造を表しています。
具体的には、業界、プロダクト、サービスなど、ビジネスに関係するさまざまなものの掛けあわせにより、収益が発生している様子を示しています。

 

エコシステムが必要な理由

ビジネスにおけるエコシステムは、以前にも増して重視されるようになっています。IT技術の発達により、ひとつの企業だけでプロダクトやサービスを成立させるのは難しい状況になったからです。
消費者に求められるプロダクトやサービスを提供し続けるためには、各企業が協力しあい、必要に応じて補完しあう必要があります。

 

エコシステムのビジネスモデル

ビジネスの世界では、国や業界などの垣根を超えてさまざまな企業が連携するようになっています。バックグラウンドや分野がまったく異なる複数の企業が協力するケースも増えてきました。場合によっては、競合となる企業同士がパートナーになる場合もあります。
たとえば、ITに関しては、OS、デベロッパー、ベンダー、サードパーティ、ベンチャー、ユーザーなどの連携により、大きな収益を得ている事例もあります。

 

エコシステムを導入するメリット

ビジネスエコシステム
ビジネスにおけるエコシステムには、さまざまなメリットがあります。具体的なメリットについて解説します。

 

認知度が向上する

エコシステムでは、複数の企業の連携が前提となっています。各社が自社の既存顧客に対して新しい事業について周知すれば、1社が独自に宣伝するよりも効率的に認知度を高められます。
認知度が向上すると、実際に商品やサービスを販売した際の売上もアップする可能性が高いです。スムーズに事業を軌道に乗せられるようになります。

 

企業や顧客を呼び込みやすくなる

エコシステムでは効率的に認知度を向上させられるため、大規模なビジネスにも挑戦しやすくなります。呼び込める企業の数が多くなる可能性が高く、まとまった資金が必要となるビジネスにも着手しやすいです。
また、大規模なビジネスを展開できれば、その分だけ多くの顧客を獲得しやすくなります。

 

新しいビジネスにつがる

さまざまな技術が高度化しており、1社だけで革新的な新しいビジネスを展開するのは難しい状況になりつつあります。
しかし、エコシステムにより社外のアイデアやノウハウを取り入れられれば、それまでにない新しいプロダクトやサービスを生み出しやすくなります。まったく新しいビジネスモデルを作り出し、社会に対して大きなインパクトを与えられる可能性もあるでしょう。

 

エコシステムを構築する方法

エコシステムを構築するには、どのようにすればいいのでしょうか。ここでは、エコシステムの構築方法を解説します。

 

自社の立ち位置を理解する

自社の状況を客観的に把握し、どのようなプロダクトやサービスであればエコシステムの中心的な役割を担えるか検討しましょう。参画するエコシステムを誤ると、自社にとって大きな損失につながる恐れもあります。エコシステムを構築する際は慎重に状況を見極め、無理な計画を立てないように注意する必要があります。

 

最適なエコシステムを検討する

既存のエコシステムの事例を確認し、他社と協業する場合に自社は何ができるのか検討しましょう。そのうえで、自社にとって最適なエコシステムのイメージを固めることが大切です。また、まとまった資金が必要になりそうなら、費用対効果についても計算する必要があります。自社に最適なエコシステムを選べるようにしましょう。

 

自社にとってのメリットを改めて確認する

自社に適したエコシステムについて検討したら、改めてメリットを考えてみましょう。具体的には、情報共有の手段やコストの最適化など、エコシステムを構築するうえで必要となる細かい項目について確認すべきです。エコシステムでは他社と連携する必要があるため、失敗を防ぐには事前に入念な検討を重ね、対策を講じておく必要があります。

 

ビジネスにおけるエコシステムの具体例

ビジネスエコシステムの成功事例
ビジネスにおけるエコシステムは、すでにさまざまな事例が存在します。ここでは、代表的なエコシステムの成功事例を紹介します。

 

事例1:クラウド

クラウドは、クラウドサーバー、ネットワーク、OS、アプリケーションなど複数の仕組みにより成り立っています。その結果、便利なサービスの提供が可能になりました。データの連携や情報共有もスピーディに行えます。
クラウドのこのような性質は、エコシステムとして捉えられています。企業同士が連携しているわけではないものの、ビジネスにおけるエコシステムの成功例として紹介されるケースが多いです。

成功した要因

クラウドがエコシステムとして成功したのは、クラウドサービスによりさまざまな企業の連携を実現させたからです。複数の企業が協力しやすい環境が整い、消費者の役に立つ技術やサービスが急速に発展しました。

 

事例2:Amazon

Amazonは、大規模なエコシステムの展開によりビジネスを発展させてきました。AmazonといえばECモールが有名ですが、ほかにもクラウドサーバー、タブレット端末、スマートスピーカーなどさまざまな商品やサービスを世の中に提供しています。
企業と消費者の両方にとって魅力的なプラットフォームを作り、多くの人を呼び込むスタイルを確立しています。

成功した要因

AmazonはECモールからスタートし、エコシステムによるプラットフォームの構築によって参入する市場を広げました。その結果、幅広い分野で高い利益を出せるようになっています。参画しやすいプラットフォームを作った点も成功の要因です。

 

事例3:Apple

Appleは、製品やアプリなどでエコシステムを形成しています。Appleの製品としては、iphone、ipad、イヤホン、Appstoreなどが有名です。部品の製造、組み立て、販売などの各工程において、たくさんの企業と協力しています。
また、AppleはiTunesでアプリを提供しています。さまざまな企業や個人が作成したアプリを扱っており、製品とは異なる別のエコシステムを展開しています。

成功した要因

Appleは、DellやHewlett-Packard(HP)などのPCメーカとして競合他社と競いあうようにビジネスを展開していました。しかし、エコシステムによるプラットフォームを築いた結果、消費者の囲い込みに成功し、もともとの競合他社に大きな差をつけました。

 

事例4:Microsoft

Microsoftは、パソコン、Officeシリーズ、クラウドサーバー、開発言語などによりエコシステムを形成しています。たとえば、クラウド上にMicrosoft Azureとよばれるプラットフォームを作り、AIやセキュリティ等に関するさまざまなサービスの提供を開始しました。
パートナー企業とともに開発を進めたり、ビッグデータの共有によりサービスの質を向上させるための分析を行ったりしています。

成功した要因

エコシステムにより、パートナー企業と連携した点が成功の要因です。既存のサービスを過信せずパートナー企業と共に高みを目指したおかげで、よりよいサービスが生まれています。

 

事例5:YouTube

YouTubeでは、動画投稿者、視聴者、広告主がひとつのプラットフォーム上でつながっており、エコシステムを形成しています。動画投稿者、視聴者、広告主は平等な立場であり、それぞれがメリットを得られる仕組みになっている点が大きなポイントです。仕組みが明確であり、エコシステムを維持向上させやすい環境が整っています。

成功した要因

活発に活動している動画投稿者が多く、マスメディアもYouTubeを使用するようになりました。その結果、視聴者が増え、類似するサービスとの間に大きな差をつけることになりました。

 

事例6:シリコンバレー

シリコンバレーは、IT関連のスタートアップ企業が多く集まるエリアとして有名です。スタートアップ企業に対する支援が充実しており、各企業家が交流しやすい環境になっています。シリコンバレーはエリア一帯がエコシステムとして捉えられており、複数の企業の連携によりこれまでにない新しい技術やサービスを生み出してきました。

成功した要因

シリコンバレーでは独自の文化形成や事業を支える人材育成も可能となっており、エコシステムによる価値の創出につながっています。また、州が支援者の税金が控除される制度を導入した点も成功の後押しとなっています。

 

今後エコシステムに期待されていること

すでに解説したとおり、単独の企業で新しいビジネスを生み出すのは困難な時代になってきています。今後、より多くの企業がエコシステムを意識してビジネスを展開していけば、新しいサービスや技術が生まれやすくなるでしょう。
そのためには、まったく異なる強みをもつ企業同士が手を取りあい、協力して事業を発展させていく必要があります。新たな市場を作り上げられれば、エコシステムを構成する企業同士がともに大きな利益を得られる可能性があります。

 

まとめ

エコシステムは、新しいビジネスを展開するために活用できます。今後はエコシステムの重要性がさらに増していくと考えられるため、自社がどのような役割を果たせるかしっかり検討しましょう。
ビジネスを発展させていくためには、デジタル化による業務効率化も重要です。
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